◎【利用上の注意】  ○(1)真似していただいて構わないところ 目次の流れや構成および概略は真似していただいて構いません  ○(2)必ず加工しなければならない部分(雛形内の5ヶ所の▼) ①「はじめに」の「1970年以降に生まれた人の老後資金不足は2000万円どころでは済まない」という節の「私自身も19▼0年代生まれなので」の▼の数字。ほとんどの人は1970か1980になると思いますが、1960年代生まれの人は次のように変更してください。⇒「私自身も65歳からはもらえないので」 ②「はじめに」の「勤め先にバレずに副業して、サラリーマンの安定を手放さずに裕福になる」という節の▼自己紹介の部分。 ③「はじめに」と「おわりに」の次の【動画セミナープレゼントご案内サイト】に乗せる、ステップメールの登録サイトURL ④巻末のプロフィール  ○(3)できるだけ加工して欲しいこと ①雛形の文章をコピペして丸写しするのではなく、雛形をみながら自分の言葉で本文とタイトルを書いてください。 ⇒コピペして部分的に加工するだけだと、AI審査ロボットに盗作だと判断されて、審査が通らない可能性が高くなります。 ②このたたき台の文章には具体例がほとんど載っていないので、「例えば」で始まる具体例をたくさん追加してください。 具体例については、自分の例だけではなく、知人や仲間の例を混ぜていただいても構いません。 自分以外の例を使う場合で、その人の本名やビジネスネームを出す時には、事前に本人のご了承を得てください。  ○(4)テクニカル面 ①本文中の行頭の■や◆や★などは、アウトライン用の頭出しのためのマークなので、最後には消しておいてください。 ②文章を作成する際には、テキストエディター(プログラムを書く時に使うアプリ)を使うと、サクサクスピーディーに書けます。 ちなみに私は、Windowsでは『秀丸』、Macでは『mi』というテキストエディターを使っています。 テキストエディターを使うと、ワードなどと違って動きが早いのでストレスがありません。 アウトライン機能を設定すれば、全体を俯瞰しながら文章が書けます。 全角と半角の変換、検索・置換、grep機能など、様々な機能が盛りだくさんです。  ○(5)その他注意点 ①本のタイトルについては、既刊の本のタイトルとダブらないように気をつけてください。 ②本の表紙はKindle上では小さく表示されるので、アイコンだと思ってください。 アイコンなので、表紙の文字が小さいと意味がありません。 ③Kindleでの販売開始後すぐに、他のメンバーと共有しあい、レビューなどで助け合ってください。 ★★★以下からひな形★★★ ■はじめに  ◆日本人のマネーリテラシーは世界で一番低い  2019年の夏、老後資金が2000万円足りないというニュースで日本中が騒然となりました。  きっかけになったのは、政府の金融審議会がまとめた「高齢社会における資産形成・管理」というレポートです。  このレポートを元に、朝日新聞・日本経済新聞・東京新聞が、「老後資金が2000万円足りない」というニュースを報道。テレビのワイドショーなどでも拡散されてネット上でも大炎上。日比谷公園でデモ集会まで開かれて、麻生大臣がレポートの受け取りを拒否する騒ぎに発展しました。  唐突に「老後資金が2000万円足りない」なんて言われたら、そりゃ誰だってビックリします。  私もあきれてしまったのですが、どれだけひどいことが書かれているのか興味が湧いたので、「高齢社会における資産形成・管理」というレポートをダウンロードして実際に読んでみました。  読んでみて、私は逆の意味でビックリしました。なぜなら、「老後資金が2000万円足りない」なんて、一言も書かれていなかったのです。  書かれていたポイントは、「高齢夫婦無職世帯の平均で、毎月の赤字額は約5万円」ということ。「不足額約5万円が毎月発生する場合には、20年で約1,300万円、30年で約2,000万円の取崩しが必要になる」ということ。そして、「65歳時点における金融資産の平均保有状況は、夫婦世帯で、2,252万円となっている」ということ。  2,252万円の金融資産があるのなら、毎月5万円取り崩して5万円の赤字額を補うのは当たり前のことです。老後のために積み立てたお金なのですから、それを使うのは当たり前です。せっかく積み立てたのに、年金支給額の範囲内で我慢して節約生活を送るほうがよっぽどおかしいですよね?  この騒動のあとに、マスコミが加工していない元々のレポートを読んでみて、私は今回の騒動の根本原因が2つあると気づきました。  まず1つ目は、読者数を増やしたり視聴率を高めるために、一部のマスコミがセンセーショナルなニュースを流したということ。読者目線から見ると、それが結果的にフェイクニュースになりました。  2つ目は、私達日本人のマネーリテラシーは世界でも最低レベルだと言われていますが、まさに今回の騒動は、日本人のマネーリテラシーの低さが原因の1つだったということです。  そしてこの騒動をきっかけに私は改めて、もっとマネーリテラシーを高めて、自分の身は自分で守らなければならないという思いを強くしました。  そんな矢先、日本中がコロナ禍で大混乱に陥っているスキに、老後資金2000万円問題なんか足元にも及ばないくらい、重大なことが決まったのですが、ご存知でしょうか。  ◆1970年以降に生まれた人の老後資金不足は2000万円どころでは済まない  1961年生まれの人までは、65歳から年金をもらえるので、65歳時点で2000万円貯めておけば大丈夫でした。  でも、1970年代生まれの人は、70歳前後になるまで年金をもらえないことが、コロナ禍中の法律改正でほぼ確定しました。1980年代生まれの人はもっと大変で、おそらく75歳前後になるまで年金をもらえない可能性が高い。  つまり、1970年代生まれの人は70歳前後まで、1980年代生まれの人は75歳前後まで働かなければならないということです。  その場合、公務員であれば年金支給年齢にあわせて定年の年齢が引き上げられるので、たぶん大丈夫だと思います。  でも民間企業では、ほとんどの企業は定年年齢の引き上げまでは手が回らないと思います。年金が65歳に引き上げられた今の時点でも、ほとんどの企業は60歳定年のままです。60歳からは非正規社員として1年更新でしか雇ってもらえません。給料も半分以下に減らされます。  そして今後、年金支給が70歳や75歳に引き上げられたからといって、65歳以降も非正規社員として雇ってもらうことさえ難しくなります。だから2019年に、当時の経団連の中西宏明会長が、「終身雇用を前提に企業運営、事業活動を考えることには限界がきています」と発表されました。その後、トヨタ自動車の豊田章男社長も「インセンティブなどがなく、日本の生産が減っていく場合には、終身雇用は難しくなる」と発言されています。  経済界の二人の大物とまるで口裏を合わせるかのように、企業は65歳以降の従業員の独立を応援すれば良しとする内容の法律改正が、コロナ禍で日本が混乱しているスキに、国会で決まりました。  こうして1970年生まれ以降の人は全員、65歳以降から年金をもらえるようになるまでの生活費を、自分で確保しなければならないということになりました。そのためには、現役のうちにお金をしっかり貯めるか、もしくは65歳以降は自力で稼いで何とかしなければなりません。  淡々と語ってしまいましたが、私自身も19▼0年代生まれなので、決して他人事ではありません。  その一方で、実は私は既に、その問題を解決できるメソッドを知っていて、目下実践中です。  そのメソッドを使うと、今までよりも、もっとお金を貯めることができるようになる。しかも、会社に頼ることなく、65歳以降も稼ぎ続けることができるようになります。そのメソッドを『妻社長メソッド』と言います。  ◆常識という思い込みを捨て去ることで「可能性」がひらける  『妻社長メソッド』は、いたってシンプルです。副業とプライベートカンパニーとをかけ算すればできあがる。プライベートカンパニーとは、副業用につくった自分専用の法人のこと。7万円あれば3時間でつくれるし、オフィスも従業員も要りません。  後ほど解説しますが、妻をプライベートカンパニーの社長にすると、「平凡な副業」が「節税できてバレない副業」に生まれ変わるので、『妻社長メソッド』と呼ばれています。私はこのメソッドを、お金のソムリエ協会の坂下仁会長から教わりました。  『妻社長メソッド』を学ぶ以前の私は、実は次のような「思い込み」にとらわれていました。 <思い込みの一例> ☑家族に不自由させないために、大黒柱である自分が稼がなければならない ☑就業規則で禁止されている以上、会社員も公務員も副業なんてできるわけがない ☑会社や同僚に副業がバレる可能性を0にするなんて不可能だ ☑本業や家事が忙しいので、それを副業と両立させるのは無理だ ☑自分にはスキルも才覚もないので、副業で利益をあげられるわけがない ☑裕福になるためには、株やFXや仮想通貨などを勉強しなければならない ☑副業にだってリスクがあるし、それ以前に家族の理解を得ることさえ難しい ☑1万円札には1万円の「価値」があるに決まっている  でも、かつての私を含めて多くの人が当たり前のように信じているこれらの思い込みは、すべて間違っています。  これらの思い込みにとらわれている限り、「多大なリスクを冒して資産運用をするか」、もしくは「現状に甘んじ続けるか」の2択しか選択肢はありません。  でも私は、これらの思い込みが間違えだと気づいたからこそ、3つ目の選択肢を見つけることができたのです。  ◆勤め先にバレずに副業して、サラリーマンの安定を手放さずに裕福になる  申し遅れましたが、私は・・・。▼自己紹介を挿入  そこで私は坂下仁会長から許可をいただいて、『妻社長メソッド』についてのエッセンスをまとめてKindleで出版することにしました。本書の構成は次の通りです。 第1章 妻を社長にして副業をすれば、すべてがうまくいく 第2章 副業に必要な資金の効率的な捻出法 第3章 自分と妻にあった副業を見つけよう  第1章では、「平凡な副業」を「節税できてバレない副業」へと変身させる『妻社長メソッド』の仕組みを解説します。第2章では、副業を始めるために必要な資金のひねり出し方をご案内します。第3章では、お勧めの副業3種類を簡潔にご紹介します。  まずは一通りページをめくって、気になるくだりを見つけてください。興味ある部分だけ拾い読みしても構いませんし、後ろの方から読んでいただいても構いません。  いずれにしても、本書にざっくり目を通していただければ、「会社員や公務員としての安定を手放さずに、就業規則を守りながらバレずに副業をして、大胆に節税しながら裕福になれる」と、確信していただけるはずです。  そこで本書では、「バレずに副業をして大胆に節税しながら裕福になれる」と、あなたにご理解いただくことをゴールに設定したいと思います。  また、読者特典として、『世界一ノーリスクハイリターンな資産形成術』をテーマにしたセミナー動画をプレゼントさせていただきます。この動画は、私のメンターである坂下仁さんから特別に、利用許可をいただいています。期間限定の特典ですので、ご興味ある方は早めにご活用ください。 【動画セミナープレゼントご案内サイト】 ▼ ■第1章 妻を社長にして副業をすれば、すべてがうまくいく  ◆4つの壁がある限りサラリーマンは裕福になれない  サラリーマンには残念な事実ですが、雇われて給料をもらうだけでは永遠に裕福になれません。なぜなら、サラリーマンには次の4つの壁が常に付きまとうからです。どんなに資産運用を勉強したところで、この事実は変えられません。 ①税制の壁 ②給与体系の壁 ③就業規則の壁 ④転職市場の壁  ①の税制の壁とは、超過累進課税と源泉徴収です。  サラリーマンは昇給率よりも増税率の方が高く、しかも税金が給料から天引きされる源泉徴収方式なので、節税も簡単にはできません。  ②の給与体系の壁とは、努力が必ずしも収入に反映されないということ。  自営業や経営者なら、自分の給料は自分で決められますが、雇われの身では自分で給料を決めることはできません。  ③の就業規則の壁とは、多くの職場で正規雇用者の副業を禁止していることです。  雇う側の立場で考えると、仕事の質を維持するために副業を禁止する気持ちはよくわかります。  ④の転職市場の壁は、40代以降の転職が難しく、転職するほどに給与が下がる可能性が高いことを指します。  転職は元々20代の若者を想定しているので、仕方がありません。  ◆妻を社長にすることで4つの壁を回避できる  このように、サラリーマンには4つの壁が立ちはだかっているため、いくら努力してもなかなか豊かにはなれないのです。  しかし、サラリーマンでも裕福になる抜け道が1つだけあります。それが、「はじめに」でお話しした「妻を社長にしてプライベートカンパニーを設立する」という『妻社長メソッド』です。  これは決して、「妻に起業させなさい」という意味ではありません。「自分だけがお金持ちになる」という考えを捨てて、妻と一緒にお金持ちになりましょうという意味です。また、本格的な事業ではなく小さな副業というイメージです。  では、どうして妻を社長にすることが効果的なのでしょうか。  それは、彼女たちには4つの壁が存在しないからです。  例えば専業主婦は誰からも給料をもらっていないので、「税制の壁」や「給与体系の壁」、「就業規則の壁」とは無縁です。だから、この妻の持つ強みを利用しない手はない。妻を社長にすることは、あなたが豊かになるための近道でもあるのです。  この本ではわかりやすく専業主婦の例で話をしますが、会社や役所に勤めていないご両親や子どもでも同じ方法を使えます。また、非正規雇用の従業員に対して副業を禁止している会社は少数派なので、パート主婦にも応用できます。  ◆お金とはお客様に貢献して初めてもらえる「感謝の気持ち」  妻社長メソッドを理解する上では、「お金の本質」への理解が欠かせません。そこでお金の本質を先に見ていきましょう。  お金とは「感謝の気持ちを見える化したもの」です。世の中の人々の感謝やお詫びの気持ちなどがお金の本当の正体です。  たとえば、あなたが1万円のモノやサービスにお金を支払うのは、そのモノやサービスを手に入れることで喜びや満足感を得られるからです。裏を返せば、1万円に見あった満足感がないのであれば、あなたは1万円を支払いたいとは思わないでしょう。  これはあなたがモノやサービスを提供する立場になったとしても変わりません。お客様が満足して感謝してくれるモノやサービスを提供できたときに初めて、1万円を手にすることができる。言い換えれば、1万円というお金は、お客様の感謝の気持ちを数字化して「見える化」したものなのです。  私のメンターである坂下さんがこのことに気がついたのは、資産運用に失敗して貧乏のどん底にいたときのことだそうです。  当時の坂下さんはお金のプロだとうぬぼれて、他の誰よりも株やFXに詳しいと過信していました。それなのに坂下さんは、株の信用取引で失敗し、とんでもない借金を背負って極貧生活に転落しました。  お金のプロだった坂下さんがどうしてこんな目にあったのか。何度も自問自答を繰り返したそうです。そして、はたと気づいたのです。  知識やノウハウをどんなに駆使して株を売買しても、世の中の誰も坂下さんに感謝などしてくれはしないと。誰も感謝してくれないのだから、誰も坂下さんにお金を払おうと思うわけはない。なぜなら、お金とは感謝の気持ちだから……。  ◆妻を社長にするために妻の器をもっと大きくする  お金の本質がわかると、「感謝の気持ちを多く生み出す人ほどお金持ちになれる」という真理が見えてきます。そして、「感謝の気持ちを多く生み出す人」とは、器(スキルや考え方、人望など)が大きな人です。  自分の器を大きくしなければ、お客様や世の中のために大きく貢献することができません。そして、お客様に貢献した結果としてお客様から感謝されなければ、感謝の気持ちであるお金を手にすることはできないのです。  だから、まずは自分の器を大きくすることが先決です。  ただし、妻社長メソッドを実践するためには、妻の器も一緒に大きくする必要があります。ふたりでともに成長しながら、お客様に貢献し、妻の器にお金が流れこむようにするのです。妻の器を大きくすることに専念して、それが実現すれば、自ずとあなたの器も大きくなります。  ここで注意してほしいのは、「妻をお金持ちにする」=「あなたが一所懸命稼いで、稼いだお金を妻に渡す」ことではないということ。そうではなく、「妻をお金持ちにする」=「妻が自分の収入源を手に入れる」ということ。この発想の転換こそが、サラリーマンという安定を手放すことなく、裕福になる秘訣なのです。  ◆税制の壁がないことで驚異の節税術を実現!  普通のサラリーマンが裕福になることは、「税制の壁」「給与体系の壁」「就業規則の壁」「転職市場の壁」という4つの壁のせいで、ほとんど不可能です。  しかし、妻が正規雇用でない場合には4つの壁がないため、「妻をお金持ちにすること」に集中すれば、サラリーマンである夫もお金持ちになることができます。  では、4つの壁のうち、私達が裕福になることを妨げている最大の壁はどれだと思いますか?  答えは、「税制の壁」です。  むろん、ほかの3つの壁のうち1つでもなくなれば、はるかに資産形成しやすくなりますが、税制の壁がなくなることで受けられる恩恵には計り知れないものがあります。なぜなら、人生最大の支出は税金だから。税金と実質的な税金である社会保険料とを合わせると、生涯支出は夫婦合計で平均8000万円くらいに達します。だから、節税こそが裕福になるための第一歩だと言ってもよいでしょう。  とは言っても、節税とは無縁な会社員や公務員にとっては、節税にいかほどの威力があるのか、いまひとつピンと来ないかもしれません。  ご存知かもしれませんが、日本では、「超過累進課税」という税制が個人向けに導入されています。  これは、収入が増えれば増えるほど、それに応じて税率も高くなる仕組みで、国税が酷税とヤユされる最大の原因がここにあります。  例えば課税所得500万円のサラリーマンにかかる所得税の税率は20%ですが、その人がさらに500万円の副収入を得て1000万円に達すると、税率は33%にまではね上がります。500万円の所得税は単純計算で100万円ですが、1000万円に達すると330万円にふくらむのです(わかりやすく説明するために、本書ではこれ以降、所得控除などすべての控除を省略して簡易計算します)。  このように超過累進課税によって税率がはね上がるので、夫個人の収入を増やすだけで裕福になるには、半端でない時間と労力が必要になります。  ◆妻に収入源を持ってもらうことがお金持ちへの第一歩  では、どうすればこの過酷な税制の壁を乗り越えることができるのか?  そうです。夫個人の収入を増やすのではなく、妻の収入を増やせばよいのです。  例えば、給与以外の500万円分の収入源を夫の代わりに妻が持っていたとしたら、世帯全体の納税額はどうなると思いますか?  夫の課税所得500万円にかかる所得税率が20%ですから所得税は100万円です。妻の500万円の所得税率も20%ですから、所得税は同じく100万円です。そして、100万円+100万円=200万円ですから、夫婦合計での税額は、200万円に抑えられるのです。  一方、夫が一人で1000万円の収入をあげると、所得税率が33%になるため、所得税は330万円になります。  つまり、世帯全体では同じ1000万円の収入であっても、「夫婦でお金持ちになる」という発想をもって分担するだけで、年間130万円ものお金を節税できるのです。  もしこれを20年間続けたとしたら、それだけで2600万円多く貯められます。さらにその2600万円を元手に運用したり、妻の副収入を少しずつ増やしたりしていけば、2600万円どころか3000万円を軽く超えて、雪だるま式に資産がふくらんでいくことになるわけです。  収入源を妻に持ってもらうだけですから、リスクは全くありません。あえて株やFXで運用するようなリスクをおかさなくても、収入源を妻に持ってもらうだけで簡単にお金を増やせるということ。まさに、節税ほどノーリスクでハイリターンな資産形成テクニックはないと言ってもいいでしょう。  夫だけが稼いでお金持ちになるという発想から、夫婦が力を合わせて一緒にお金持ちを目指すという発想に切り替えるだけで、あなたのご家族の未来が劇的に変化していくのです。  ◆「個人」にはマネできない「法人」の節税術  サラリーマン世帯が「税制の壁」を打ち破って裕福になるためには、妻にもこのように収入源を持ってもらうことが大切です。その意味では、共働き夫婦というのはとても理想的です。でも、この程度はまだまだ序の口です。  この世の中には、私達よりもはるかに税金を優遇されている「人」がたくさんいます。  といっても、ケイマン諸島やバージン諸島のようなタックス・ヘイヴン(租税回避地)を利用している“超”がつくほどの富裕層のことではありません。  どんな国にもいる、ありふれた存在ですが、彼らは生身の体を持っていません。そう聞けば、ピンと来る人も多いでしょう。  そう、答えは「法人」です。  法人とは、文字通り、「法」で認められた「人」です。  もちろん生身の自然人と同じではありません。自然人と同じような権利義務を与えられたアバターのようなものです。  この法人というアバターは、私達生の人間とは比べものにならないくらい、税金が優遇されています。  優遇されている点は、大きく3つ。 ①法人税の税率は、個人の税率よりも低い。 ②法人は経費を先に落とせるため、納める税金が少なくなる。 ③法人に認められた経費の範囲は、個人よりも広いので、さらに税金が減る。  では、これら3点について説明しましょう。  いずれも、課税所得が年間500万円のサラリーマンと、実質的な収入である売上総利益が500万円の法人を例にとって比較しながら説明します。  まず、①の「法人税の税率は、個人の税率よりも低い」について。  所得が500万円の個人の税率は所得税20%と住民税10%とで合計30%になり、税金の額は150万円です。  一方、法人の大半をしめている中小法人では、法人税と住民税と事業税とを合わせても実質21%程度なので、税金は105万円程度にしかならないのです。  実質的な収入が同じでも、個人と法人とで税金が1.5倍も違い、45万円も差がつくのです。  次に②の「法人は経費を先に落とせるため、納める税金が少なくなる」とはどういうことか。  個人の場合には、30%分の税金150万円が先に源泉徴収された後に、残りの350万円が給与口座に振り込まれます。そして、出費が300万円だとすれば、税引き後の350万円から支払うので、手許には50万円しか残りません。  ところが、法人の場合は、先に300万円の経費を500万円から落とせます。社長への給料、出張手当、社員旅行費などの諸費用300万円が経費として差し引かれ、21%の税金は残った200万円の部分に対してしかかからない仕組みになっています。  200万円×21%=42万円ですので、売上総利益500万円・経費300万円の法人は、42万円程度しか税金を納めなくてよい計算となり、158万円も手許に残ります。しかも、身内の家族に給料が支払われている場合には、実質的にはその分も手許に残ります。  なぜこんなに差がつくのか、手許に残る金額を算数の式で表して、比べてみました。 ・個人の手許に残る金額:500万円×70%-300万円=50万円 ・法人の手許に残る金額:(500万円-300万円)×79%=158万円  税率の違いは9%にすぎないのに、なぜ手許に残る金額が3倍以上も違うのか? ご覧のように、かけ算と引き算の順番が逆転しているからなのです。それだけで、こんなに差がついてしまうのですね!  ◆日本の会社の7割は税金を7万円しか支払っていない  法人が受けられる恩恵はそれだけではありません。  その法人が「赤字」だった場合には、法人所得税そのものがかかりません。  なぜなら、法人では「損益通算」が可能だからです。  損益通算とは、「得をした分」から「損をした分」を差し引いた分にだけ税金がかかる仕組み。  A事業が500万円の利益を出していたとしても、B事業が500万円の損失を出していたら、差し引き0円になるため、会社としては「儲けがなかった」とみなされて税金がかからないのです。  ところが、個人にはこの損益通算が使えません。例えばあなたが株式で500万円の損失を出した一方で、500万円の給料をもらったとします。この場合、その年のあなたの利益はプラスマイナス0で手許には1円もお金が残らないのに、給料から容赦なく150万円もの税金が引かれていくのです。  それだけではありません。日本の法人の約3分の2は赤字ですから、多くの法人は7万円の住民税しか納めていない。  また、赤字の繰越でも待遇が違います。個人では赤字を最大3年までしか繰り越せません。大きな赤字が出ても、3年でリセットされる。その結果、もし4年目に黒字となったら、その黒字に対して丸ごと税金がかかってしまうのです。  ところが、法人の場合は9年間も繰り越せるため、不動産や設備などで経費をたくさん使って9年間にわたって赤字を活用して節税するテクニックを使える。例えば1000万円の赤字を繰り越せば、9年間の間に1000万円の黒字が出たとしても、繰り越された1000万円の赤字と帳消しにされるので、1000万円の黒字に対しては税金がかからなくなるのです。  そして、③の「経費の範囲の広さ」も法人の強みです。  もちろん、個人事業主でも、交通費、通信費などを経費にできます。  しかし、法人の場合は、「社員旅行」や「出張手当」まで経費にすることができる。  また、個人事業主は「自分への給料」や「退職金」を経費にできませんが、法人ではすべて経費にできます。「親族への給料」も個人事業主では限られたケースでしか経費になりませんが、法人ではすべて経費になります。  ◆プライベートカンパニーはあなたにもつくれます  ここまで読んでこられた方の中から、こんな声が聞こえてきそうです。  「ずるい!絶対におかしい!お金がたくさんある法人だけを優遇して、お金のない私達個人から税金をむしり取るなんて不公平だ!」  実は私も、かつては、そう思っていました。この世の中には理不尽(りふじん)なことが多いですが、これほどまでに理不尽なことはない!と・・・。  でも、国民全員が「法人税を引き上げて平等な税制に改正せよ!」と大声を張り上げたところで、不平等税制は改善されません。なぜなら、中国をはじめとする世界各国が競うように法人優遇政策を推し進めているからです。個人と違って法人は簡単に複数の国籍を取れるので、税金が低い国に出ていけます。法人税を引き上げて自国の産業が空洞化しては元も子もありません。だからどの国も、法人税を引き上げられないのです。  このような背景があるので、どんなに理不尽でも、どんなに文句を言ったとしても、そう簡単には変えられません。  変えられない以上、取りうる手段は1つしかありません。  それは、相手(税制)を変えるのではなく、自分が変わること。文句を言う側から、文句を言われる側にまわればいい。  つまり、法人をつくって、優遇される側にまわってしまえば解決します。  あとは、やるか、やらないかの決断のみ。  それは、あなた自身が決めることです。  このままずっと、お金の不安を抱えながら、理不尽な税金を支払い続けるという選択も、その人らしい立派な生き方の1つです。  法人を作って経費というお金を世間に流すことにより景気の拡大に貢献し、自分たちも節税で裕福になるという選択も、同じように立派な生き方の1つです。  だから、どちらか1つ、自分の価値観にしっくりくる生き方を選んでください。ただし、もしこのまま何もしなければ、それは「1つ目の生き方を選んだ」ということになります。  こう言うと、もう1つ、こんな声も聞こえてきそうです。  「2つ目の生き方を選びたいのは山々だけど、一介のサラリーマンが法人をつくってお金を稼ぐなんて、無理なのでは?」  私も最初はそう思っていました。  でも、法人をつくることは、そんなに難しいことではありません。  法人と聞くと、ほとんどの方が株式会社、それも誰もが知っているような大企業のことを思い浮かべるようですが、実際には小さな零細企業のほうがはるかに多く存在しています。  現在、日本には株式会社のような営利法人が約170万社もあって、その99%程度が中小企業で、そのさらに8割が小規模企業なのです。  たとえば、近所にある個人経営の小さな商店も、その半数近くは「法人化」されています。  そう聞けば、法人をつくることは難しいことではないと、何となくおわかりいただけるのではないでしょうか。  実際のところ、法人をつくるのはSNSでアカウントをつくるのと同じくらいハードルが低い。オフィスを借りる必要もない。従業員を雇う必要もありません。  このように自宅で副業するためだけにつくった、オフィスも従業員もない自分専用の法人が、「プライベートカンパニー」なのです。  ◆税金面、信用面、資金面といいことずくめのプライベートカンパニー  プライベートカンパニーとは、自分専用の法人のこと。  最小限の規模のミニチュア法人といってもいいでしょう。  プライベートカンパニーをつくれば、妻に収入源を持ってもらった効果を最大限にまで高めることができます。  このプライベートカンパニーをつくって取り組む副業のことを、プライベートビジネスとも呼びます。  「たかが副業」と侮ってはいけません。  税制上の優遇すべてを受けることができる副業です。経営を軌道に乗せられれば、あなたの資産は誰もが驚くようなペースで増え続けていくのです。  プライベートカンパニーをつくるメリットは、税制上の優遇だけにとどまりません。  法人化することで、個人として副業する時よりも、取引上の信用力がぐっと上がるのです。また、長い目で見れば、銀行からの融資も受けやすくなるでしょう。  つまり、手許に残るお金が増えるだけでなく、お金自体を稼ぎやすくなるのです。  しかも、法人には生身の体がありませんから、当然ながら寿命もありません。  寿命がないので、プライベートカンパニーの「財産」「顧客」「理念」「社名」などあらゆる価値を、わが子や孫、そしてその先の子孫へずっと伝えていくことができる。つまり、家業にすることができるのです。  もしかしたら、100年後、1000年後の未来まで続く会社になっているかもしれません。  プライベートカンパニーは、それを羽織るだけで、個人にはできないことを可能にする「魔法のマント」のようなモノです。  こうして、たとえショボイ副業であったとしても、プライベートカンパニーをかけ算するだけで、その「平凡な副業」が「節税できてバレない副業」に生まれ変わってしまうのです。  ◆プライベートカンパニー1つで住宅費を半分に減らせる  ここでもう1つ、プライベートカンパニーならではの錬金術を紹介しましょう。  それは、プライベートカンパニーにマイホームを購入させて、それを社宅として賃借するという方法です。  たとえば、ここに5000万円の家があったとします。これを個人として借りる際の家賃が、月額30万円だと仮定します。  では、プライベートカンパニーを使ってこの家を購入して、妻がこれを社宅として借りたらどうなると思いますか?  プライベートカンパニーの所有者は自分たちですから、社宅として借りる際の家賃は自由に設定できます。通常なら30万円が相場のところを、10万円に設定したとしても、税法上はまったく問題ありません。  このように、プライベートカンパニーを間に入れるだけで、30万円の家賃を10万円にすることができるのです。  しかも、その家はプライベートカンパニーの所有ですから、維持費は会社の経費になる。建物の購入代金も経費化できるので、信じられないほど大胆な節税ができてしまいます。これに気づくと、住宅ローンを組んで個人でマイホームを買うことが、バカらしくてやってられなくなります。  この恩恵はプライベートカンパニーにて「家を買う」場合だけでなく、プライベートカンパニーにて「家を借りる」場合にも受けられます。住みたい家をプライベートカンパニーに借りさせて、それを、妻が「社宅」として借りればいいのです。その際、プライベートカンパニーが支払う家賃の半額を社宅費として設定すれば、それだけで住宅費を半分に減らせます。  たとえば、家賃が月額20万円のマンションをプライベートカンパニーに借りさせて、それを10万円で妻が社宅として借りたらどうなるか。家賃が年間120万円も浮くので、家計が120万円も助かります。その一方で、プライベートカンパニーにとっては経費が120万円増えて利益が減るので、結果的に節税にもなるというわけです。  月額10万円で20万円の物件に住める。  しかも、そのことが節税にもなる。  これが、個人には絶対に真似できない錬金術の1つです。  この方法は不動産だけでなく、自動車やその他、お金がかかるあらゆるものに応用できます。  ◆節税は、自分のためだけでなく世のため人のためにもなる!  節税こそが裕福になるための近道だと聞いても、まだピンとこないかもしれません。  その威力は、ふるさと納税を使って日常生活のすべての食料品や日用品をまかなうよりはるかに凄いレベルなのですが、実際に体験しなければわかりません。  それに加え、節税をどこか「やましいこと」と感じている日本人が多いことも一因でしょう。  なかには「節税は脱税と紙一重なのではないですか?」などと、びっくりするようなことを言う人もいます。  でも、節税は悪いことではありません。  むしろ、それとは反対の素晴らしい「社会貢献」なのです。  節税と聞くと、一部の人は「お金を使わないこと」を反射的に連想するようですが、それは節税ではなく節約です。  節税は、むしろその正反対。お金を使わないと節税はできません。  そもそも節税(=納める税金を少なくする)には2つしか方法がありません。  「売上を減らすこと」と「経費を増やすこと」です。  売上を減らしてしまってはビジネスとして成り立たなくなりますから、普通は経費を増やすことで節税します。  たとえば、取引先とのランチミーティング代、副業のスキルアップのためのセミナー代や本代などもすべて経費になります。  そして、経費を多く使うということは、それだけ世の中に出回るお金が増えることになりますので、大きな目で見れば節税は日本の景気をよくすることにつながるのです。  プライベートカンパニーが納める税金は減りますが、その何倍ものお金が経費として支払われ、国内に出回るお金の総量(GDP)がふくらむことになる。GDPがふくらめば、景気が上向いて企業や個人が手にする収入は増えることとなり、結果的には巡り巡って税収も増えることになるでしょう。  つまり、節税には、世の中の景気をよくする社会貢献という側面があるのです。  景気がよくなることにより、経費として使ったお金が自分のプライベートカンパニーの売上として将来戻ってくれば、それこそ一石二鳥です。  節税は悪いことではありません。むしろ、世のため人のためを思えば、どんどんやったほうがよいことなのです。  だから、あなたが会社員としての収入を維持しながら、本気で裕福になりたいと願っているのなら、不要不急のぜいたく品にお金を使うよりも、まずプライベートカンパニーをつくることを優先しましょう。  家族と協力し合いながら副業を始めることを優先するべきなのです。  そうすれば、やがてその副業があなたや妻が望むぜいたく品を買ってくれるようになります。その副業を定年後のお仕事にすることもできる。軌道にのれば、パワハラや激務に耐えて健康を害してまで、勤め先にしがみつく必要もなくなります。  ◆副業に踏み切れない一番のネックは就業規則と会社バレ  妻社長メソッドを採り入れると、このように日本一ノーリスク・ハイリターンな資産形成が可能になって、「平凡な副業」が「節税できてバレない副業」に生まれ変わりますが、メリットはそれだけではありません。妻社長メソッドのおかげで、副業していることが勤め先にバレなくなるのです。  会社員や公務員が副業に踏み切れない一番のネックは、就業規則と会社バレです。もちろん、働き方改革の一環として政府は副業・兼業の解禁を奨励しています。でも大半の企業は、相変わらず副業を禁止している。それに違反してまで副業をすることには、誰だって二の足を踏んでしまいます。  また、たとえ副業が解禁されても、出世や昇給のことを考えると、副業していることを勤め先や同僚には知られたくありません。だから大多数のサラリーマンにとって副業は、とても勇気がいることなのだと思います。  でももし、就業規則に違反せずに副業できて、かつ、勤め先にも同僚にもバレないとしたら、どうでしょうか? 「だったら、やってみたい!」って思いませんか?  ◆住民税の普通徴収だけでは必ずしも万全とは言えません  一般的に副業がバレるのは、副業の儲けを確定申告して住民税が増えるケースです。副業の儲けが20万円を超えたら確定申告して所得税を支払いますが、確定申告は地方自治体にも送られて、住民税にも反映されます。  そして地方自治体は、増えた住民税の源泉徴収を勤め先に依頼するので、それがきっかけとなって勤め先に副業がバレてしまうのです。  そこでこの場合、確定申告の際に住民税の普通徴収を選択して自分で納税すれば、この問題を回避できると言われています。ところが、想定外の落とし穴があるので、勤め先に副業がバレる可能性を100%回避することはできません。  例えば、何らかの事情で地方自治体が勤め先に照会する可能性もゼロとは言えませんし、普通徴収のチェック欄は給与・公的年金以外用なので、雇われる副業については東京都のように住民税の普通徴収を認めない場合もあります。  また、副業収入が不動産所得・事業所得・譲渡所得・山林所得の場合で赤字になると、本業の給与所得と損益通算されて、地方自治体から勤め先に対して通知される住民税の源泉徴収額が減額されます。その場合はほぼ確実に、副業していることがバレるでしょう。  このように、個人として副業する場合には、あらゆるリスクに備えておかないと、ひょんなことから馬脚をあらわす事態になりかねません。  ◆プライベートカンパニーがあなたを合法的に守ってくれます  これに対して妻社長メソッドでは、このような心配は一切ありません。プライベートカンパニーから給料をもらわない限り確定申告は不要なので、住民税のせいで勤め先に副業がバレることは起こりえないのです。  しかも、プライベートカンパニーの業務執行社員に就任せず、かつ、給料さえもらわなければ、例えプライベートカンパニーの仕事を手伝ったとしても、それは家業のお手伝いに過ぎないので副業にはなりません。  このように、プライベートカンパニーさえ活用できれば、就業規則違反も回避できて、かつ、勤め先に副業がバレることも回避できるのです。あとは、酔った勢いで同僚に自慢しなければ、特殊なケースを除いて副業がバレることはありません。特殊なケースについては、事前に排除できるものばかりです。  また、万が一バレたとしても、あくまでも家業の手伝いであって就業規則には違反していないので、勤め先からとがめられることはありません。それをとがめた瞬間に、勤め先が法令違反を犯したことになるので立場が逆転します。  ◆副業がバレない手法はたった1つ、妻社長メソッドだけ  このように妻社長メソッドでは就業規則違反を犯すリスクもなければ、勤め先や同僚にバレる危険性もありません。  しかも、サラリーマン特有の税制の壁が消えるので、大手を振って正々堂々と節税できる。だから、副業に必要な投資や備品・消耗品があるのなら、ケチらずお金を使ってください。世間にお金が還流されて社会貢献になるので、遠慮はいりません。  サラリーマンの世界と違って給与体系の壁がないので、お客様に貢献するほどに喜ばれて感謝され、成果がプライベートカンパニーの売上として直接はね返ってきます。  また、転職するようなリスクを犯す必要もなくなります。家族と一緒に副業することで、家族の成長を応援し、家族間のコミュニケーションや信頼関係を高めることもできます。  さらに副業が順調に育っていけば、その副業を足がかりにして起業することも夢ではなくなってきます。  このように、プライベートカンパニーを活用して副業するだけで、「平凡な副業」があっという間に「節税できてバレない副業」に生まれ変わってしまうのです。  もちろん、その一方で注意点もあります。  プライベートカンパニーをつくっても、副業収入がなければ逆に出費だけがかさみますので、まずは副業を見つけることが先決です。  また、プライベートカンパニーをつくる際の定款や社内規定を上手に工夫しないと、トラブルの原因になりかねませんし、節税もできません。  だから予め、定款・社内規定・税務・副業ノウハウなどの実務に精通した専門家や講師の先生から、基本を一通り学んだうえで設立するようにしましょう。  ◆妻をプライベートカンパニーの社長にした方がいい理由  サラリーマンが給料をもらいながら、プライベートカンパニーをつくって妻に社長になってもらい、特技をいかして副業を始める。このアイデアを実行したことで、私達お金のソムリエ協会の仲間は次々と裕福になり始めています。  とはいえ、「妻を社長にする」こと自体に違和感を覚える人もいると思います。例えば、「うちの妻は、大学を出て少し働いたことはあったけど、長らく専業主婦だった。そんな妻が会社の社長として上手くやっていけるとは思えない」「妻を社長にする理由は、妻に税制の壁がないという消極的な理由でしかないだろう。そもそもビジネス経験がなければ社長は務まらないのではないか?」  そんな声が聞こえてきそうです。  でも、ちょっと待ってください。  そう思った人は「女性」または「主婦」を少し誤解しているかもしれません。  私はむしろ「主婦こそ社長に向いている人材だし、社長になるべきだ」と考えているのです。  これは「4つの壁がないから」という消極的な理由からではありません。  主婦こそ社長になるべき積極的理由がある。それは主婦が、「主婦力」という最強のビジネススキルを備えているからです。  ◆相手の気持ちを理解し寄り添う共感力が交渉で絶大な威力を発揮  世間はまだ、主婦の潜在能力を見過ごしがちか、あるいは過小に評価していると思います。  実際のところ、男性よりも主婦のほうが、ビジネススキルに秀でた分野がたくさんあるのではないか、と私は思っているくらいです。  主婦が備えている総合的なビジネススキルのことを「主婦力」と呼びす。コミュニケーションスキル、共感力、マルチタスク、機転力、エコマインドなど、主婦力にも色々ありますが、一例として共感力をみてみましょう。  女性の会話を観察するとわかりますが、女性は男性に比べてはるかに相手の気持ちに共感するような言葉を口にしています。  女性がなぜそのように対応できるのか、私はずっと不思議に思っていたのですが、『妻のトリセツ』(黒川伊保子著・講談社+α新書)を読んで、ようやく答えがわかりました。男性脳は基本的に「事実の通信線」のみなので、「それ、違っている」と、いきなり結論を出すのだそうです。これに対して女性脳は「心の通信線」と「事実の通信線」の2本を使って会話するとのこと。だから、たとえば友達の「事実」を否定しなければならない時、女性はまず「心」を肯定するのだとか。  母として子供と向き合い、大切に育てていくという大仕事に取り組む女性には、生まれながらに相手の気持ちに沿って考え、相手を感情面から理解しようとする能力がそなわっているのかもしれません。  この共感力は、ビジネスの現場においては「気配り」や「細やかさ」として現れてきます。  妻が業者さんとやり取りしている姿を見るにつけ、自分には絶対あんなコミュニケーションは取れないなと、舌を巻くことがしばしばです。  交渉で目指すゴールは、お互いが納得できる心地良い「落としどころ」です。  こちらの要求をすんなり聞きいれてもらえるなら、それはそれで最高ですが、ほとんどの場合はお互いの言い分をすりあわせつつ、妥協点を探っていくことになります。  女性は、この妥協点を直感的に理解して、相手の感情を損ねないようにソフトランディングすることに長けているようです。そしてそれこそが、まさに共感力のなせる技だと思います。  主婦力をあなどるなかれ。あなたのご家庭に最強のビジネスウーマンになれる逸材が待機しているといってもいいでしょう。  それだけの可能性を秘めた妻に、家事やパート勤めだけお願いするなんてもったいない。  妻に眠る才能に気づき、サポートしていけば、超優秀な社長に生まれ変わり、ふたりで一緒に裕福になれるのです。  大切なことは、先入観をすべて取っ払って、今そこにある妻の真価に気づくことです。 ■第2章 副業に必要な資金の効率的な捻出法  ◆先立つものはやはり「お金」  これまで妻社長メソッドのメリットを説明してきました。多くの読者さんがすでに乗り気になっておられると思います。  しかし、いざ副業プランを考え始めると、副業によっては、ある悩ましい課題にぶつかります。  それは「種銭(たねせん)」不足です。情報ビジネスなら元手はあまりかかりませんが、大家業や物品販売業などでは元手が必要になる。  利益が出そうな副業のアイデアもある、夫婦揃って副業へのモチベーションも高い、にもかかわらず肝心の「種銭がない」というのでは、前に進めません。  そして、「種銭がない」ことが原因で、副業へのチャレンジをあきらめる人もいます。  確かに種銭を貯めることは簡単ではありません。ですが、それしきのことで『妻社長メソッド』をあきらめて欲しくはありません。  また、「種銭を貯めるためには生活レベルをかなり下げなければならないのでは?」と不安に思われるかもしれません。でも、これから紹介する方法なら、そんな苦労をせずともちゃんと貯められます。  ◆お金を貯めるための3つの秘訣とは?  当たり前ですが、お金を貯める基本は、「稼ぐこと」と「使わないこと」。そして、副業開始前からできることが、無駄なことにお金を「使わないこと」です。  お金の使い方は、大きく分けて3つ。「消費」、「浪費」、そして「投資」です。  このうち、副業前の人が意識しなければならないのは「消費」と「浪費」です。種銭を貯めるためには、浪費を減らすことが必要不可欠だからです。  「何をわかりきったことを…」と思うかもしれませんが、浪費を減らすことは思ったより難しいことです。  なぜなら、消費だと思われている買い物の多くは、実は浪費であり、多くの人はそれさえ気づいていないからです。  そこでこの章では、浪費を減らすために最低限押さえたいポイントを3つだけ解説します。 <浪費を減らすために押さえたいポイント> ・欲しいものではなく必要なものを買う ・価値のない「幻」にお金を使わない ・不要な固定費を削減し、変動費をコントロールする  ◆私達は、お金というものを根本的に誤解している  副業の元手となる種銭を用意するためには、できる限り「浪費を抑えること」が必要でした。そしてそのためのポイントがいくつかあります。  大切な基本なので、私が学んだお金のソムリエ協会のセミナーでも、ここをしっかり学んで実践する回がありました。そして、この基本を私と一緒に学んだ皆さんも、年間数十万円~百数十万円の無駄な出費の削減に成功しました。この効果は未来永劫続くため、最終的にはチリツモ効果で1千万円~数千万円に達すると実感しています。  最初に、ポイントの1つ目「欲しいものではなく必要なものを買う」について説明しましょう。  私達は思いのほか、必要ではないものを買っていて、しかも、そのことに気づいてさえいません。  たとえば、スーパーで「半額」と書かれたステーキ用のお肉を見かけて、つい買ってしまった経験はありませんか? もちろん、私にもそんな経験がありますが、そのステーキ肉は本当に必要だったか?と問われると、ほとんどの方が首をかしげることでしょう。  なぜ私達は「必要ではないものを買ってしまう」のか?  それは、お金というものを無意識のうちに誤解しているからです。  ◆「得か否か」という価値基準でお金を使うから浪費が止まらない  「お金とは何か」と問われたら、あなたは何と答えるでしょうか?  「お金とは価値があるもの」と答える人が一番多いかもしれません。2020年にベストセラーになった『FIRE』(ダイヤモンド社)の著者はクリスティ・シェンさんは、「お金こそが、世界で最も大切なものです」とまで断言されています。  たとえば1万円札があれば、それに見合った商品を買えるわけですから、この答えはあながち間違えではありません。  しかし、多くの人が当たり前のように信じて疑わないこの金銭観こそが、私達が裕福になれない最大の元凶なのです。クリスティ・シェンさんが億万長者になれたのは、夫婦の初任給で1400万円以上稼ぎ続けて、「爪に火をともす生活」で徹底的に節約して給料の大半を貯金し続けて、リーマンショックで半分に値下がりしたインデックスファンドを購入できたからにすぎません。つまり、『FIRE』に書かれた方法には再現性がないのです。  「お金とは価値があるもの」という考え方を盲信してしまうと、商品やサービスの料金を見る際に、無意識のうちに「お得か否か」というフィルターにかけてしまいます。  この商品は、値札に書かれた金額に見合うだけの価値があるのかどうか。もし、見合うだけの価値がないのなら、それを買うことは「浪費」になるけど、価値があれば「消費」になる。また、金額を超える価値があるのなら「投資」になる。  多くの人は、当たり前のようにそう考えます。  しかし、本気で裕福になりたいのなら、今すぐこの考えを捨ててください。  声を大にしてくりかえしますが、この考え方は間違っています。  「お金とは価値があるもの」という考え方に支配されると、「お得か否か」という判断基準に支配されることになる。定価1万円の商品が9割引の1000円で売られていたら「お得」だから買わなければいけない、「買うと自分が得する」という錯覚におちいってしまうのです。  そこには、「ウォンツ(欲求)」はあっても、「ニーズ(必要性)」はありません。  お得感だけに意識が向けられると、「必要かどうか」という基準が目に入らなくなってしまうのです。  そして、マーケティングのプロは、消費者がお得感に弱いことを逆手に取って売ろうとする。  よくよく考えれば必要のないものを、さも「買わなければいけないもの」であるかのように思い込ませるのがとても上手なのです。  でも、「お買い得だから」といって必要のないものを沢山買っていては、キリがありません。冷静に考えれば損しているのに、「お買い得」という言葉を言い訳にして自分で自分をあざむいているようなものです。  かくいう私もかつてはこの「お金とは価値があるもの」という考え方に完全に毒されていました。  その結果、物事の本質を見抜くことができずに浪費を重ねてしまったのです。あなたには、私と同じ過ちをおかしてほしくありません。だから、得か否か、儲かるか否かという近視眼的な基準だけで判断することがいかに危険を、忘れないでください。  ◆お金に価値があるのではなく、反映された「感謝の気持ち」の方に価値がある  それでは、私達はお金に対してどう向き合えばよいのでしょうか。  ヒントになるのは、お金を払う人の「感情」です。  たとえばあなたが、仕事の見返りとして、1万円をもらえる立場にいるとしましょう。  雇い主や顧客が、仕事の質に不満を持ちつつ渋々ながら1万円を払ったとしたら、どうでしょうか。  それとは逆に、彼らがあなたの仕事の質に対して心の底から満足し、感謝の気持ちを込めて1万円を払ってくれたとしたら、どうでしょうか。  「もらえるお金は同じ1万円なのだから、何も変わらないじゃないか」  そう考える人には、目先のことしか見えていません。  仕事の質に相手が満足していない場合は、今回1万円を無事手に入れられても、この先も仕事を任せてくれるとは限らないでしょう。  むしろ彼らは感謝していないのだから、その確率は限りなく低くなると考えるほうが自然です。つまり、1万円という通貨を手に入れることはできましたが、それ以上に大切なものを失ってしまったのかもしれないのです。  これに対して、あなたの仕事の質に対して心から満足して支払われた1万円には「1万円以上の価値」があります。  なぜなら、相手はあなたの働きに感謝して、あなたのことを記憶にとどめ、これからもあなたに仕事を頼みたいと思うからです。  つまり、1万円札という紙切れ自体に価値があるのではなく、1万円札を介してやり取りされる私達の「気持ち」にこそ価値があるということなのです。  そこに「感謝の気持ち」が込められていれば、1万円札は1万円以上の価値を表しますし、そうでないのなら1万円未満の価値しか表さないでしょう。  何度でも繰り返しますが、お金の本質は「感謝の気持ち」です。  感謝の気持ちのこもっていない「抜け殻の通貨」ばかりをもらっていると、その人はいつしかお金を稼げない人間になっていく。  「抜け殻の通貨」をもらうということは、相手から感謝されずにお金だけを懐に入れるということなのですから、それは当たり前のこと。極論を言ってしまえば、拾った1万円札や盗まれた1万円札と大差ありません。  ◆金銭観のコペルニクス的転回が起きれば、浪費は自然になくなる  「お金とは価値があるもの」という考え方にドップリ浸かっている人は、「手っ取り早くお金を稼ぐ」ことにしかフォーカスしませんから、目先の利益を追うことしかできません。  しかし、「お金とは感謝の気持ちである」という考え方にシフトできている人は、どうすれば今まで以上にお客様から感謝の気持ちをもらえるだろうかと知恵を絞って考え、必死に実行しますから、長期的にもっと稼げるようになります。  そして、ようやく本題に戻りますが、この「お金とは感謝の気持ちである」という考え方は、お金を稼ぐときだけでなく、「浪費を抑える」ためにも、有効なのです。  コペルニクスが天動説の間違えを証明して地動説を唱えたように、物事の見方が180度変わってしまう事をコペルニクス的転回と言います。  「お金とは価値があるもの」という考え方から「お金とは感謝の気持ちである」という考え方にシフトすることも、まさに金銭観のコペルニクス的転回といってもよいでしょう。  例えるなら、「お金とは価値があるもの」という考え方は「お金の世界の天動説」、「お金とは感謝の気持ちである」という考え方は「お金の世界の地動説」にあたります。  「お金とは価値があるもの」という天動説的な考え方をしている人にとって、3つのお金の使い方は次のようになります。 <お金の世界の天動説> ・投資とは、値段より高い価値のモノを手に入れること ・消費とは、値段と同じ価値のモノを手に入れること ・浪費とは、値段未満の価値のモノを手に入れること  ところが、「お金とは感謝の気持ちである」という地動説的な考え方にシフトすると、こうなります。 <お金の世界の地動説> ・投資とは、お客様の役に立つことにお金を使うこと。 ・消費とは、自分と家族の役に立つことにお金を使うこと。 ・浪費とは、誰の役にも立たないことにお金を使うこと。  お金が感謝の気持である以上、お金を使う判断基準は当然ながら「感謝できるかどうか」にシフトする。「感謝できるかどうか」は、通常は「役に立つかどうか」次第です。  ですから、お金を使うときには、自分自身に対してこう問いかけてみてください。  「この商品やサービスを買ったら、自分や家族の役に立つだろうか?」と。  もし答えがNOなら、それは実は「必要ではないもの」だということ。つまり浪費です。  役に立たないものを買おうとしていたとしたなら、それは「定価よりも割安だから」とか、「高い付加価値がついているから」など、私達の目をくらませる判断基準によって惑わされていただけなのです。  この秘密に気づいた人は、浪費へと駆り立てる「お得か否か」という判断基準を捨て、「必要か否か」という判断基準を保持できるようになります。  ◆高価であっても必要であれば迷わずお金を使いましょう  どんなにお得であろうと、どんなに欲しいという気持ちにとらわれようと、それが自分や家族あるいは人様の役に立たず、感謝の気持ちを引き起こさないものなら、それを買うことは「浪費」です。  今は欲しいと思っていても、いずれはタンスの肥やしになるか、ゴミ箱に捨てられるだけです。「それを買わなかったら、種銭をその分だけ貯めることができたのに」と、いずれ後悔することが目に見えています。  とはいえ、お金をなるべく使わない「節約生活」はつらくて苦しいので、生活を切り詰めるのにも限界がある・・・。確かに、つらくて苦しい生活であれば、続きません。  でも、そもそも、つらくて苦しい節約生活になること自体がおかしいともいえます。つらくて苦しい節約生活は、どこか、根本的な部分が間違っているからです。  節約がつらくて苦しいのはなぜだと思いますか? それは、本当は必要なものまでをも買わずにがまんするからつらいのです。何を買うにも「安いものを買わなければ!」という強迫観念に駆られて生活しているとそうなります。「FIRE」という「爪に火をともす生活」を続けると、必ずそうなります。  ここで思い出してください。浪費を抑えるときの基準は「必要か否か」であって、商品の金額が高いか安いかは関係ないのです。  あなたがよく考えた結果、本当に必要だと思うのなら、高価な食材だろうと高価な化粧品だろうと、買ってもよいのです。  例えば、食品添加物が入っていない少し高価な食料品がそのよい例です。日本が世界一の「ガン大国」になった原因の1つは食品添加物だと言われています。有害だという理由で欧米では禁止されている食品添加物であっても、儲けを優先して利権を守るために眼をつぶることが日本では許されている。  結果的に健康を害したり医療費が膨らんだりして困るのは社会的弱者である私達消費者です。そのカラクリに気づいた人たちは、多少高価でも食品添加物が少ない食料品を買っています。  このように、家族の健康と幸せのために必要なものであれば、多少高価でも買ってよいのです。  節約を苦しいと感じるのは、必要なものであっても高価なら買わないというルールを課しているからです。そんなことをしていたら、つらくて苦しいのは当たり前です。  だから多少高価であったとしても、家族の健康のために必要なものなら思い切って買ってください。長く愛用できて、深い愛着を持てるものなら、思いきって買ってください。そして、作り手に感謝の念を抱けるモノであるのなら、それはあなたにとって必要なものだったのです。  このように、多少高くても必要なものだけを買い、どんなに安くても不要なら買わないことを徹底していけば、あなたの種銭は着実に貯まっていくことでしょう。  ◆「感動」を「感謝の気持ち」と交換するのが資本主義経済の本質  さて、生活水準を下げることなく浪費を抑えて種銭をつくるためのポイントの2つ目は、「価値のない幻にお金を使わない」ことです。  そもそも、商品やサービスが持っている「価値」とは何でしょうか?  価値とは、端的に言えば、私達がそれにお金を使ってもよいと思う要因のことです。  お金とは「感謝の気持ち」でしたが、私達はどういった商品やサービスに対して「感謝の気持ち」であるお金を支払ってもよいと思うのでしょうか。  そのことがわかれば、自ずと商品やサービスが備えるべき価値とは何かがわかるはずです。  私達がお金を支払ってもよいと思うとき、それは多くの場合、私達の「感情が動いたとき」です。つまり、商品やサービスに「感動」したときなのです。  その感動に対して、感謝の気持ちであるお金を支払っている。  古代、通貨を発明する前の人類にとっては、「物」を「物」と交換する「物々交換」が当たり前だったのだと思います。  その後、貨幣経済が成立した結果、私達は「物」を「感謝の気持ち(お金)」と交換するようになった。それだけではなく、「感動」をも「感謝の気持ち(お金)」と交換し始めた。貨幣を介して「感動」と「感謝の気持ち」とを交換する、つまり「感々交換」するステージにまで進化したのです。  そして、モノ余り時代の進展と歩調を合わせるかのように、「感々交換」が最もスタンダードな形態になった。このことは、現代において一番儲かる商売が、夢や希望、感動を売る商売であることからも、うかがい知ることができます。  ディズニーをはじめとするエンターテインメントやコンテンツ産業は、「感動をお金に換える」という現代貨幣経済の本質をしっかり押さえているがゆえに強いのです。  ◆「高性能」だからといって「高付加価値」とは限らない  商品やサービスが持っている「価値」とは、私達を「感動させてくれる何か」であるということはおわかりいただけたかと思います。あなたの心が大きく動けば動くほど、あなたはそれだけ大きな感謝の気持ちを支払ってもよいと思うようになります。  そして、私達がよく耳にする「付加価値」という言葉。これは、単純で平凡な商品やサービスに対して付加されている夢や希望、感動させてくれる何かを指しています。  そして、この付加価値というものも、一筋縄ではいかないシロモノです。  高付加価値の代表といえば、高性能な家電やスマホでしょう。  最先端の電子レンジや掃除機など、通常の家電に期待されているスペックをはるかに超える家電を目にし、その性能に目を奪われ、「欲しい!」と思った経験があなたにもあるのではないでしょうか。  高性能の商品は魅力的です。  しかも、まだ誰も持っていない最先端の品を自分だけが持っている、そんな特別感や優越感は一度味わうとやみつきになります。  でも、その商品に付加されている性能が、自分にとって全く役に立たないものだったらどうでしょうか。  どんなに最先端の技術が使われていても、役に立たなければ当然ですがガッカリします。唯一得られたものは優越感だけなので、全然役に立たないシロモノだと悟った瞬間に、高い買い物をしたことを後悔します。  高性能が必ずしも高付加価値だとは限らないのです。  付加価値があるかどうかは相対的なものであり、自分自身とその商品との間で「心が動くやり取り」が起きるかどうかが問題なのです。  ところが、世の中の多勢は、「付加価値=高性能」と勘違いしたまま、ばくぜんと性能の高いものを選んだりしています。そんなことをしている限り、浪費がやめられないのはあたりまえです。  ◆付加価値のない「幻」にお金を使っても報われない  高性能な商品ならまだ言い訳ができますが、世の中には付加価値さえない商品があります。付加価値がないにもかかわらず、さも付加価値があるかのように見せかける「幻」というラッピングがほどこされている。  買った当初は、その商品のおかげで夢をもらって感動したと思っていたにもかかわらず、しばらくするとそれは夢でもなんでもなくただの錯覚に過ぎなかったということに気づいてしまう。  そんな商品やサービスこそが「幻」であり、絶対にお金を使ってはいけないモノなのですが、悲しいかな、世の中はそういった商品やサービスであふれかえっています。  さて、実体のない見せかけだけの「幻」でラッピングされた商品とは、具体的にはどのようなものなのか。  一番わかりやすい幻は、「宝くじ」です。  数億円が当たる確率は数百万分の1にもかかわらず、日本人の4割近くが宝くじに毎年お金を注ぎ込んでいるそうです。夢ははかなく破れることが決まっているのですが、購入者は抽選日まで「当たるかもしれない」という期待に胸を躍らせている。  それこそ「幻を買っている」だけなのですが、当たるかもしれないという期待に胸躍る快感が忘れられず、外れても、しばらくすれば性懲りもなく宝くじに走ります。  仮に宝くじが当たっても、長い目で見ればその人は貧乏になる確率の方が高い。  なぜなら、宝くじの当選金は「感謝の気持ち」として贈られたものではないからです。  「悪銭身につかず」とは、よく言ったものです。自分が一所懸命に誰かを喜ばせようと心血を注いで開発した商品やサービスへの見返りとして得たお金なら別ですが、単なる偶然によって得たお金というものは身につかないことがほとんどなのです。  実際に、宝くじに当選した人の大半は、正しいお金の稼ぎ方も使い方も知らないので、そのお金が身につかず浪費してしまうといいます。  ◆実体のある商品にも実体のない「幻」がまぎれこんでいる!?  私達が気をつけなければならない「幻」は、宝くじのように実体のない「幻」ばかりではありません。実体のある商品やサービスにも、「幻」がまぎれこんでいるからです。  代表格が、“新築”マイホームです。  家そのものには実体があるものの、商品としての“新築”マイホームには実体のない「幻」がいっぱい付加されている、ということをご存知でしたでしょうか?  たとえば、郵便受けに入っていたり、電車の車内広告になっているハウスメーカーやマンションディベロッパーのチラシをよく見てみてください。  最寄り駅が遠い物件や、これといったセールスポイントを打ち出せない物件ほど、次の2つの条件を満たしているはずです。 ・美しいけど抽象的で意味不明なキャッチコピーが使われている ・現実的ではないおしゃれなインテリアで装飾された写真を使っている  美しいけど抽象的で意味不明なキャッチコピーとは、たとえば「格調の高い暮らし」とか「歴史と調和した街並」など抽象的な形容詞がふんだんに散りばめられたキャッチコピーです。  そんな空虚な言葉で彩られた物件に、芸能人の豪邸でしかお目にかかれないおしゃれな内装をほどこすことで、デメリットや特徴のなさを覆い隠しているわけです。それがよくわかる例を1つご紹介しましょう。  某大手マンションディベロッパーの素敵なモデルルームを坂下さんご夫婦が見学した時のこと。その部屋に展示されていた素敵な家具と豪華なオプションの建具にいくらお金がかかっているのか質問したところ、900万円かかっていると責任者の方が教えてくださったそうです。  当然ながら、マンションの分譲価格にその900万円は含まれていません。だから、その素敵な家具や建具がかもし出す素敵な雰囲気にひかれて同じタイプの部屋を購入しても、900万円の家具と建具はついていないので、モデルルームのような素敵な雰囲気もついてきません。だから現実の部屋の雰囲気は、思い描いたものとはほど遠く、生活感あふれる平凡なものになってしまいます。  このように、これらは売り手側に都合よくつくり出されたイメージですので、いざ購入して住み始めたとたん、まるで夢から覚めたように「現実」に引き戻されてしまうのがオチなのです。  そして、新築マンションや新築一戸建ての価格には、こうした実体のない「雰囲気」もお値段として上乗せされていて、価格の3分の1がこうした幻の対価としか思えない物件もあります。  人生の三大出費の中で最も大きな出費は住宅費なので、マイホーム取得の際は冷静に判断するよう気をつけなければなりません。  ◆幻まみれの新築マイホームにお金を浪費してはいけない  このように、新築物件には、実体のない「幻」にまみれているものが意外と多い。  ですから、住むための家は「新築を買う」よりも、「中古を買う」か「借りる」ほうが安全です。私達もそろそろ欧米のように古いものの価値を見直してもよいのかもしれません。中古でもリノベーションすればかつての輝きを取り戻せます。  ちなみに賃借する場合、その最大のメリットは、冷静に「必要か否か」を判断できるようになる点です。  どういうことかというと、住宅ローンでマイホームを買う人を観察すればわかるのですが、ほとんどの人は「必要か否か」ではなく、「給料で返済できるかどうか」を判断基準にしてローンを組んでいます。「欲しい!」という欲求にしたがって夢を思い描き、借りられる限度額まで目一杯に借りて「夢のマイホーム」実現に向けて走り出すのです。  ところが、あとで冷静になって考えた時、いかに「実体のない幻」に莫大なローンを組んでお金を使ったかがわかる。実現したのは「夢のマイホーム」ではなく「幻のマイホーム」だったと、後から気づくのです。競売物件の大半はマイホームですが、それらはこうした「幻のマイホーム」のなれの果てだったのです。  しかし賃貸なら、実体のない幻にお金を使うヘマはしません。他人の所有物を借りるので、家賃をできるだけ安く抑えようという心理が働くからです。  仮にもし失敗物件を借りたとしても、引っ越せばいいので取り返しのつかない事態は避けられます。後から周辺環境が悪化したとしても、賃貸なら引っ越しするだけで解決します。  ここで誤解してほしくないのは、持ち家がダメで賃貸が正解だ、という意味ではないということ。持ち家の方がよいケースもたくさんあります。例えば、「終の棲家(ついのすみか)」を退職金で買って住むのは素晴らしいことだと思います。とはいえ、”新築”マイホームには中古や賃貸と比べて落とし穴が多いので、十分な注意が必要です。  いずれにしても、家のような実体のある商品にも、実体のない「幻」が付加されて実体以上の値段がつけられていることがあるので、気をつけましょう。  買おうとしているモノの本当の価値を見極められるよう、日頃からお金の世界の地動説的な発想を意識することが大切ですね。  ◆「固定費」と「変動費」という2種類の出費の違いを知る  種銭をつくるために押さえなければいけないポイントの3つ目は、「不要な固定費を削減し、変動費をコントロールする」ことです。  私達が生活する中で日々生じる「出費」。出費を抑えることが節約の基本だということは、誰もが知っています。でも、どの出費をどう抑えればいいのかとなると、くちごもってしまいます。  そこでまず、出費には「固定費」と「変動費」の2種類あるということを押さえておきましょう。本来は、企業会計での考え方なのですが、私達の家計にも応用できます。  固定費とは、一定の額が毎月天引きされる支出のことを言います。たとえば、通信費、水道光熱費、自動車関連費、生命保険料、住宅関連費などのことです。どちらかといえば、私達の生活に密着した出費といってもいいでしょう。  一方の変動費は、ぜいたくの度合いに応じて財布から出て行く支出のこと。たとえば、食費、衣服費、交際費、教養娯楽費など。  種銭をつくるには、固定費を削減して、変動費をコントロールする必要があるのですが、具体的にはどうすればいいのでしょうか。  ◆固定費の削減は1度やれば、ほったらかしでもOK  固定費の削減については、あまり肩ヒジを張る必要はありません。  固定費の場合には、毎月ほぼ同じ額が天引きされます。「この車を買う」とか「この家に住む」とか「このスマホを使う」などと決めた時点で、毎月出ていく固定費が決まります。  つまり、固定費を減らす努力は、最初にしてしまえば、あとは自動的に削減され続けるということ。  ですから、固定費の代表格である「自動車」「家」「生命保険」「スマホ(ケータイ)」を中心に、何が自分にとって最低限必要か、そして何が自分にとって不必要なのかを、じっくりと洗い出してください。  固定費をなくすために引っ越しが必要だったり、車の売却が必要だったりするかと思いますが、1度やってしまえばあとは楽チンですので、思い立ったときにご家族の協力を得ながらやっつけてしまいましょう。  例えば、思い切って愛車を処分して必要なときだけレンタカーを借りる生活に移行するだけで、びっくりするくらいお金が貯まります。  スマホ(ケータイ)については機種が多く、キャリアが用意する料金プランが豊富かつ複雑なため、費用を削減するのに時間がかかるかもしれません。でも、時間をかけてじっくり見直してみてください。毎月の通信費も数千円とはいえ、チリツモです。  さて、固定費の削減は1度やってしまえば、あとはほったらかしで問題ないのですが、厄介なのは変動費のコントロールです。変動費の削減は、固定費に比べて格段に難しくなります。  たとえば、毎日1杯のビールを習慣にしているとします。決まった銘柄のビールを、リビングの決まった場所に座って、決まったおつまみを食べながら飲む。  それが習慣になっている場合、それを「やめる」のは至難の業です。  これは何もアルコールやニコチンなど中毒性のあるものだけの話ではありません。  愛用している化粧品、休憩時間に飲むドリンク、出勤前やランチ後に立ち寄るカフェなども、習慣となっているならそれを完全にやめることはかなり難しい。  ◆変動費は習慣の力でコントロールする  「習慣をやめるのは難しいとはいっても、やめなければ変動費を減らせないのだから気合いでやめるしかない」  そう考える人もおられますが、それだけは絶対にやめてください。  なぜなら、習慣をやめることには、大変な苦痛が伴うからです。  苦痛が伴うと挫折しやすくなり、挫折すればするほど「自分は節約なんてできない」「自分は意志が弱いのだ」という悪いセルフイメージが生まれてしまいます。  また、習慣をただやめるだけでは、そこに空白が生まれるため、今度は別の悪い習慣がそこに入り込んでくる可能性があります。それでは、悪い習慣に別の悪い習慣が入れ替わっただけで、何の解決にもなりません。  そこで、おすすめしたいのが、ただ習慣をやめるのではなく、意識的に別の、お金のかからないよい習慣で「上書き」する方法です。  一番わかりやすいのは、「ビールを飲む」という行為を「発泡酒や第三のビールを飲む」という行為に上書きしてしまうことですが、お酒を飲むという習慣自体を、「炭酸水を飲む」という習慣で上書きしてしまうことも可能です。  仮に毎日一本のビールを飲んでいる人が、それを炭酸水に置き換えることができれば、それだけで年間10万円程度のお金が浮くことになる。副次効果で健康も手に入って、医療費も減るので一石二鳥です。  大切なのは、「気持ちのいい習慣」を別の「気持ちのいい習慣」で置き換えてあげること。せっかく習慣を上書きしても、快感の度合いが著しく減ってしまうのでは、脳が満足しないため長続きしません。  この上書きという方法を使えば、「これまでの悪習慣を一気に断つ」という強靭な意志力がなくても、脳を満足させながら出費だけを徐々に減らしていくことができるのです。  まずは、ご自身やご家族がどんな変動費を使っているのかをリストアップしてみてください。そのうえで、それらの習慣を何で上書きすることができるのか、快感の度合いがどれだけ減りそうかなどをチェックしてみてください。  以上のポイントを実行して、必要な種銭を貯めてみましょう。 ■第3章 自分と妻にあった副業をみつけよう  ◆副業を成功させるための5つの条件  妻の協力をとりつけて、種銭もクリアできれば、あとは副業を選ぶだけです。  とはいえ、副業にも色々ありますから、何を選べばいいか悩ましい。そのせいで、副業が始められないという方もたくさんいると感じています。  そこでまず、副業選びの判断基準となる5つの条件をご紹介します。  あなたが考えている副業が大丈夫かどうか、以下の5つの条件に当てはめてチェックしてみてください。 ① 小さな金額で始められること  副業とは個人レベルのプチビジネスですから、いきなり何千万円もの資金を投入することは難しいし、何より失敗したときのリスクを考えれば賢いやり方とはいえないでしょう。  どんなに大きくても自己資金が数百万円で収まるものにしましょう。 ②利他的な副業であること  お金の本質とは「感謝の気持ち」です。なので、あなたに支払われるお金は、誰かを喜ばせたことで発生した対価でなければならなりません。 ③簡単に学べて再現性があり、片手間で手軽にできること  私達素人がいくらプロに対抗しようとしても勝てるはずがありません。だから副業は、素人が成功しているものでなければなりません。もちろん、あなたや配偶者の得意分野なら、この限りではありません。 ④家事の合間にできて、無理なく続けられること  妻をプライベートカンパニーの社長にする場合には、主婦業と両立できるものでなければなりません。主婦業を行うことは簡単なことではないからです。兼業主婦なら、なおさらです。 ⑤他人任せにしないで、妻がコントロールできること  他力本願で成功するなら誰も苦労はしません。加えてお金の本質とは「感謝の気持ち」ですから、一番貢献した人の手許にお金が流れていくのは当然です。だから他人任せにしてはいけません。  この5つの条件こそが、副業を成功させる秘訣であり、「副業の王道」です。  ただ、この条件を満たしたからといって安心してはいけません。なぜなら、王道を歩み続けるには持続力が必要だから。副業は一度始めただけで自動的に続くものではありません。続けていくためには、「熱意」や「情熱」が必要です。  ◆趣味や特技こそ副業にうってつけ  どうすれば熱意や情熱を持続することができるか。一番理想的なのは、趣味や特技を副業にいかすことです。  カーマニアだったらいろんな車種やパーツを見ていても飽きません。ラーメン好きなら全国くまなくご当地ラーメンを食べ歩いても、苦痛には感じないはずです。    また、趣味や特技でなくても夢中になれることや使命感を感じることを選べれば、それも理想的です。  その他、本業で習得したスキルを副業に活かすことも、やる気を維持しながら続ける秘訣の1つと言えます。  その上で、具体的にお勧めできる副業が、大きく分けて3種類ほどあります。それは、賃貸ビジネスと物販ビジネスと情報ビジネスです。そこで、ここからはこの3つについて簡単に紹介させていただきます。  ◆「資金繰りが命」の賃貸ビジネス  お勧めの副業の1つ目は賃貸ビジネスです。大家業は「成功するプライベートビジネスの5つ条件」を満たしていますが、それに加えてもう1つ大切なポイントがあります。  大家業は見かけ上は確かに不動産の賃貸業ですが、その本質は別のところにあります。  不動産を賃貸すること自体は実はとても簡単です。入居者の募集は仲介業者さんがやってくれますし、入居者の管理は管理会社さんがやってくださるからです。だから大家業という仕事の中で賃貸という作業のウェートは、おそらく1割もないような気がします。「不動産賃貸ビジネス」という名前とは裏腹に、賃貸のために労力を使うことが少ないのです。大家業は一度軌道に乗りさえすれば、あとはほったらかしでも大丈夫とおっしゃる方もいますが、そのような背景があるからなのだと思います。  では、大家業の本質とは一体何なのか?  大家業とはズバリ「資金繰り業」です。  不動産を購入して大家業を始める場合には、金額が大きいので銀行からお金を借りてきます。借りたお金は返さなければなりません。  だから極論を言ってしまえば、借りたお金を毎月返済できるような資金繰り計画を立てて、その計画が正しいことを銀行に対して証明して、銀行から大金を借り入れることこそが、大家業の核心部分だとも言える。大家業は自動車産業に似ていて、パーツがたくさんあるので、「大家業は資金繰り業である」と言い切るのは極論すぎますが、当たらずとも遠からずだと思います。  だから銀行からお金を借り入れるスキルこそが、大家業を始める際にとても大切になってきます。私が参加したお金のソムリエ協会のセミナーでも、大家業の回では物件選びと銀行借入れについて徹底的に学び、事業計画を具体的に作成するワークを行いながら、物件探しまでをも実践しました。  ◆大企業と互角に戦える物販ビジネス  このように、具体的に何を副業とすればよいのかは、何が一番得意なのかによりけりです。例えば、小物や雑貨などが大好きで、雑貨店や雑誌をこまめにチェックしている人であれば「物販ビジネス」が向いている。物販ビジネスとは文字通り、物を販売するお仕事です。  お台場のビッグサイトで毎年開催される東京インターナショナル・ギフト・ショーに行くとわかりますが、世界はワクワクするような商品で満ちあふれている。海外マーケットでワクワクする商品を見つけて、日本で独占的に輸入販売する権利を取得して、日本のマーケットで独占販売することもできます。  例えば私達のお金のソムリエ協会の仲間が何名かコロナ前に東京インターナショナル・ギフト・ショーに出展されました。特に優秀な出展者に対しては、大賞が1名・準大賞が2名選ばれて表彰されるので、とても盛り上がります。とはいえ、大手商社や超有名ブランド・超有名メーカーなど数千社が出展するので、単純計算でも受賞確率は0.1%。  そんな狭き門なのに、参加した5名の仲間から大賞が1名・準大賞が2名選ばれました。全員初めて出展した初心者で、ごく普通の主婦の皆さん。商社での輸入経験もなければ、有名ブランドや有名メーカーでの開発経験・販売経験があるわけでもありません。そんな快挙を目の当たりにして、私は驚きつつもハタと核心に気づきました。良い商品を発掘する手腕に関しては、本業での経験は関係ないと・・・。それよりも、夢中になれるくらい大好きかどうかの方が大切だったのです。  このように物販ビジネスの場合には、いかに魅力的な商品を発掘するかが鍵を握る。そして、それと同じくらい大切なことは、それをどうやって販売するかということ。この点についても色々なノウハウがあって、私達の仲間の場合は、百貨店の催事を活用して販売ルートをつくったり、展示会をきっかけに小売店や卸売業者とパイプをつくったり、クラウドファンディングを活用したり等、自分にあった手法で販売されています。  ◆情報ビジネスを制するものがAI時代を制する  物販ビジネスと賃貸ビジネス以上に最近ホットなのが「情報やサービスを提供するビジネス」です。これらをひとくくりにして情報ビジネスと呼びますが、情報化社会の進展にともなって、今後さらにニーズがふくらむような気がしています。  ひとくちに情報ビジネスといっても幅広く、講師・コンサルタント・コーチ・インストラクター・ユーチューバー・作家のようなコンテンツホルダーから始まって、デザイナー、アフィリエイター、コピーライター、動画撮影・編集者、ディレクター、プログラマー、営業代行、顧客紹介など、数え切れないくらい膨大な範囲にわたります。  私達の仲間も様々な情報ビジネスに取り組んでいて、数十名の方が講師やコンサルタントとして活躍されています。  また、著者になる人も意外と多い。著者としての活動も情報ビジネスの1つですが、著者という肩書があるだけでビジネスの幅が一気に広がる点が魅力的です。  私達の仲間からも、毎年2名のペースで新人著者が誕生していて、現時点で10名が出版しています。全員商業出版で、それぞれが自分自身の副業や起業の実績を元に自分で文章を書き、出版社に企画を提案して自力で著者デビューしています。  さらに、無料レポートスタンド”メルぞう”のe-Book大賞で2回も優秀賞を受賞したコンテンツホルダーもいらっしゃいます。  その他、ウェブライターやブロガーとして活躍される方、インスタグラマーとしてメーカーと専属契約を結んでいる方、動画制作をされている方やアフィリエイターなど、皆さんの活躍のフィールドは多種多様です。  情報ビジネスはこのように活躍できるフィールドが広いことが特徴です。パソコンとスマホさえあれば、場所や時間の拘束もなく、いつでもどこでも出来てしまう点が魅力的です。自己資金が少なくても始められるので、おそらく今後、副業の主流は情報ビジネスに移っていくのではないでしょうか。  なお、これら副業ごとのノウハウの詳細については、副業の種類に応じて千差万別です。1つの副業だけで1冊の本になってしまいますので、副業ごとの知識やノウハウについては、そちらに譲りたいと思います。  まとめると、お勧めする副業は「賃貸ビズネス」「物販ビジネス」「情報ビジネス」の3種類です。この3種類の中で特技や趣味やスキルを活かせるものを見つけてください。選んだ副業にプライベートカンパニーをかけ算すれば、「節税できてバレない副業」が完成します。  ◆プライベートカンパニーは合同会社にしよう!  副業を選んだら、いよいよ会社設立の準備です。  会社といえば普通は株式会社ですが、プライベートカンパニーに限っては株式会社にはしません。  なぜなら、株式会社の設立には20万円もの費用がかかりますし、株主総会や決算公告の義務があるなどして面倒だからです。妻とふたりで始めるプライベートカンパニーに、株主総会なんて必要ありません。  結論からお話しすると、副業用のプライベートカンパニーとして最適なのは、合同会社です。  合同会社の特徴をわかりやすく解説するなら、株式会社のいいところと個人事業主のいいところを、いいとこ取りした会社ということになります。  株式会社のいいところは節税しやすい点ですが、合同会社でもこのメリットは変わりません。経費にできる範囲も広く、9年間の赤字繰り越しや損益通算もできます。  合同会社独自のいいところとしては設立費用を6万円台におさえられる点と、株主総会や決算公告が不要という点です。株式会社では、決算報告を官報に載せなければならないので、掲載費として毎年6万円を支払わなければなりませんが、合同会社ならこれが不要になります。  いずれにしても合同会社にはメリットが多く、設立の手続きも驚くほど簡素化されています。あえてデメリットをあげるとすれば、株式会社ほど知られていない点や社長の呼び名が代表取締役ではなく代表社員という点です。が、そんなことで副業に支障が出ることは滅多にありませんので、ご安心ください。  ◆合同会社を設立する際に気をつけるべき3つの注意点  合同会社にはメリットが多いとわかりましたが、注意しなければならない点も色々あります。全部あげるときりがないので、最低限気をつけてほしいことを3点お伝えします。 ①資本金を300万円未満にする ②定款に載せる事業目的には書いてはいけないものがある ③妻だけを業務執行社員にする  最初の「資本金を300万円未満にする」についてですが、資本金とは事業をするための元手です。この資本金は多ければ多いほど社会的な信用を得ることができますが、多すぎてもいけません。  例えば資本金が1000万円未満の場合には消費税の納付が免除されますが、1000万円以上になると免除されなくなります。一律かかる住民税の均等割という税金も1000万円以上は18万円になりますが、1000万円未満であれば7万円ですみます。  さらに、300万円未満であれば年会費の発生する商工会への加入と法定台帳の提出も免除されます(東京都は1000万円)。商工会に入ればセミナーや相談会に参加できるので魅力的なのですが、副業レベルではそれほど活用する機会が多くはありませんし、必要になった時にいつでも加入できます。  私達が設立するのはプライベートカンパニーですから、社会的な信用もそこまで重要視する必要もありません。だから資本金は300万円未満で十分です。  次は、「定款に載せる事業目的には書いてはいけないものがある」です。  定款とは会社の基本的なルールを文字化したもので、今後どのような活動をおこなうか等も書きます。  例えば今から始める副業が大家業であれば「不動産の賃貸及び管理運営業務」と書きます。ほかにも将来やってみたい副業があれば、それについても書いておいたほうがいいのですが、国や都道府県の許認可が必要な事業だけは絶対に書かないように注意してください。  だから例えば、もし、妻がアンティーク好きだったとしても、古物商(アンティークショップ)と書いてはいけません。なぜなら、古物商は許認可事業だからです。許認可証がなければプライベートカンパニーの預金口座が作れなくなってしまいます。  大家業を副業にするので、将来的には不動産仲介もやってみたいと考えている方も、不動産仲介業は許認可事業なので要注意です。  最後は、「妻だけを業務執行社員にする」について説明します。  合同会社ではお金を出した出資者を「社員」と呼んで、経営者のひとりととらえます。株式会社では出資者を「株主」と呼んで、経営陣である取締役などとは区別しますが、合同会社の場合は出資した時点で「社員」という呼称の経営者になってしまうのです。私達が使う日常用語では、「社員」とは「従業員」のことですが、法律上では「出資者兼経営者」になっていて、意味がまったく違ってきます。  これの何がまずいかといえば、夫がサラリーマンだった場合に会社の副業禁止規定にひっかかってしまう可能性が高いということ。これが原因で副業禁止の就業規則に違反してしまったなんてことになれば、元も子もありません。  そんな事態を避けるためにも、妻を「業務執行社員」に任命しましょう。業務執行社員とは実際に業務を行う経営者のことで、妻をこのポストに置くことで自動的に夫は経営者からは外され、副業禁止規定にひっかかる心配もなくなるのです。  ◆メリット盛りだくさんの共済に加入しよう  中小企業基盤整備機構(中小機構)が運営する「小規模企業共済」と「経営セーフティ共済」という2つの共済を利用すると、さらなる恩恵を受けられます。これらの共済はプライベートカンパニーを経営していくうえで強い味方となってくれます。共済とは「互いに助け合う」という意味で、保険のようなものです。  1つ目の「小規模企業共済」とは、「国が作った経営者のための退職金制度」です。掛金を毎月積み立てれば、妻がプライベートカンパニーを退職したときに、積立に応じた退職金を受け取れる制度になっています。  最大で毎月7万円まで掛けられるのですが、実はこの掛金、全額を所得控除することができる。つまり、最大で年間84万円の所得控除が可能となるのです。  これに関連して、社長である妻の年間所得が100万円以下であれば、所得税も住民税もかかりません。  つまり、小規模企業共済の掛金を妻が目一杯の84万円積み立てれば、年間報酬184万円までは妻には所得税も住民税もかからないわけです。  小規模企業共済のすごいところはこれだけではありません。中小機構が発表した過去10年の運用利回りは、平均2%なのです。0%に近い預金金利と比べれば、これがどれだけすごい数字か、おわかりいただけるでしょう。  中小機構は経済産業省の外郭団体なので、元本は保証されているようなもの。安全で節税効果もあり、利回りが高い共済を利用しない手はありません。  続いて紹介するのは、「経営セーフティ共済」です。こちらは、取引先の思わぬ倒産から中小企業を守る共済となっています。  経営セーフティ共済では、月額20万円まで掛金を設定することができます。支払った掛金は法人の場合は損金に、個人の場合は必要経費に算入できるので、年間240万円までの所得控除が可能です。  そして、経営セーフティ共済と小規模企業共済とを目一杯に活用すれば、合計で424万円まで損金扱いにして節税することが可能になるのです。  もし、取引先の倒産がなく共済金を受け取れなければ損すると思われるかもしれませんが、安心してください。経営セーフティ共済は40ヶ月以上経てばいつでも任意の解約が可能で、積立金は全額返してもらえます。  社長である妻がリタイアしたときに経営セーフティ共済を解約すれば、小規模企業共済と合わせて十分な退職金となるでしょう。 ■おわりに  本書のゴールは、「バレずに副業をして大胆に節税しながら裕福になれる」ことを、あなたにご理解いただくことでしたが、ゴールまでたどり着きましたか?  読者特典として、『世界一ノーリスクハイリターンな資産形成術』をテーマにしたセミナー動画をプレゼントさせていただきます。この動画は、私のメンターである坂下仁さんから特別に、利用許可をいただいています。期間限定の特典ですので、ご興味ある方は早めにご活用ください。 【動画セミナープレゼントご案内サイト】 ▼ 【プロフィール】 ▼ 【注意書き】 本書は2021年12月末時点で著者が知りうる情報を基に作成しております。副業や投資に関しては自己責任においてなさってください。本書および本書に登場する情報元を利用してのいかなる損害等について、著者、製作協力者は一切の責任を負いません。